全くだめだった。
捨ててやるコンチクショウ ってわけで下に廃棄する。
絶対リベンジしてやるからな。まってやがれ!
ってわけで、マニクロは(上はマニクロの話じゃないよ)ようやくオセを殺したところ。
ながいなぁ・・・・
悪魔リストはまだ17%くらいだぜ・・・・orz
ナンパしないとな・・・・。
俺は、この137地区に派遣されている公安の特殊第A班捜査員。
泣く子も黙る・・・といえば聞こえはいいかもしれないが、実際のところは犯罪者よりもよっぽど嫌われている鼻つまみ者だ。
なぜなら、特A班は犯罪に対してあらゆる権限を政府から与えられていて、その捜査方法が超法規的・・・犯人を捕まえるためには建物をぶち壊し、情報をひっかきまわし、すべての電力を無断で落とたり、プライバシーを蹂躙し、人質を殺すことすら厭わないからだ。
その俺が向かっているマンションは特A地区の整然とした街並みの中に紛れ込むようにして立っている。どこにでもある規格デザインの建物にはデータ上ではA級市民が全戸入居状態になっているのだが、実際に住んでいる人間は唯一人。
しかも、その人物はおよそ特A地区になど足を踏み入れることすらかなわないはずの無法地帯出身の男だ。
名をアリス。
知らぬものは全く知らない。
そして知る者の中では伝説とまで言われ、崇められている男。
マンションのエントランスに入ると、ワァンっと一瞬耳が鳴った。
気圧が変わったような・・・高圧酸素カプセルの中にでも入ったような感じだ。
その場に止まってじっと耳を澄ませると、あらゆる機械類が作動するなんとも言えない音が聞こえてくる。
誰もいない空間。
こちらを観察しているはずのアリスの反応をしばらく待ってみたが何のリアクションもない。
勝手に入れということかと思ったが、これ以上先に進むには少々勇気がいる。
ここはいわば彼の城だ。
警告もなしに頭を吹き飛ばされても、マイクロ派を照射されて内部から爆発しても、遺伝子をいじられて奇形にされても・・・不思議ではない。
「アリス!!!!」
誰もいないエントランスで叫ぶという行為に滑稽なものを感じながら彼の名前を呼ぶ。
すると、キュンっとどこからか音がして、天井の一部から光が差し俺の目の前に立体映像が映し出される。
それは・・・クマのぬいぐるみをもったかわいらしい女の子だ。
10歳くらいの女の子は緩やかにウェーブした栗毛の髪を腰まで流していて、フリルのふんだんについたエプロンドレスを着ている。
日本人と北欧系のハーフの顔をした少女はエメラルドの瞳を細めてほほ笑んだ。
『お久しぶりね。火村』
「あぁ、リデル。アリスに会いに来たんだが」
リデルはアリスの作ったアバターだ。実際にこのような少女がいるわけではない。
『せっかく来ていただいてうれしいんだけど、彼はいま眠っているのよ』
「チッ、この真昼間っからか?」
『えぇ、昨晩が遅かったの。あと2時間くらいは眠るんじゃないかしら』
「入ってもいいか?」
聞くと彼女はわずかに眉をひそめた。
本物の人間がするような仕草。凝り性のアリスらしい仕事だ。
『独断では判断できないわ』
「だったら、キャロルやウサギにも相談しろよ」
俺が言うと、彼女はかわいらしくうなづいた。
ちなみに、キャロルやウサギといったやつらもアリスのアバターだ。
アバターといっても彼らはただのキャラクターではなく、それぞれ巨大なスパコンにつけられた名前だ。彼女もこのようにかわいらしい姿を見せてはいるが、実際はフロア2つをぶち抜くほどに巨大ででかわいげの欠片もなくハードでメタリックだ。
キャロル・リデル・ウサギ・・・そしてそのマスターのアリス。
洒落たつもりかもしれないが、俺にしてみれば悪趣味の極みだ。
『決が出たわ』
「で?」
『賛成3よ。どうぞ。火村。入ってちょうだい』
「そりゃどうも」
『案内は必要かしら?それとも私は消えた方がいい?』
「案内はいらない。勝手にあがらせてもらうよ。アリスはいつもの部屋だろう?」
立体映像を通り過ぎながら言うと、
『えぇ。火村、できたら彼を外に少し出してあげてね。いくら日光が有害だとはいってももう何日も部屋からでていないの』
彼女の声も後ろになる。
そこまで凝る必要があるのかは不明。
「わかったよ」
後ろに手を振ってエレベータの方へと歩く。
エレベータはすでに待っていて、俺が前に立つと同時に扉を開いた。
病人をベットごと運べそうな大きな箱。コンソールを操作するまでもなく、俺を乗せた箱は静かに下っていく。
『ねぇねぇ。アリスをおこしておいたほうがいい?』
下ったらずな子供の声がどこからともなく響く。
この声は・・・ウサギのものだ。
姿はないが、アリスやキャロルとともにずっとウォッチしていたに違いない。
「ウサギか。」
『そうだよ。14日と12時間32分45秒ぶりだよ。お久しぶり』
「あぁ。アリスは起こす必要はない。それにウォッチもやめてくれ。」
『わかった。地下についたらウォッチは切るよ』
「キャロルもいるのか?」
『“いる”っていう表現は適切ではないけどいるよ。近頃ずっとヒマだったから、火村が来てくれてうれしいよ』
「そうか。だったら喜んでくれ。とびきりの暇つぶしになりそうだぜ」
『わっやった!あ、じゃぁ、ウォッチを解くよ。でももし・・・』
「アリスの身体に何らかの異常があった場合は強制介入・強制排除も辞さない・・だろ。わかってるよ」
ガクンっと箱が揺れて止まる。
『そういうこと。じゃぁ、あとでまた遊んでね』
ぷつりと声が消えて箱が開く。
部屋は広いはずなのに、そこはガラクタとゴミに占拠されていて足の踏み場もない。
正面には奥にいくつものモニターが並んでおり目に痛い光を発している。
光源といえばそのモニターと、周辺のハードディスクたちが作動していることを示す緑色のランプの点滅のみ。
モニターの前には男が一人ねているのか突っ伏している。
俺はゴミたちを文字通り蹴散らして男のところまでを歩くと、
「アリス」
名を呼びながら彼の背をゆすった。
ハーフを“あいのこ”と書こうとしたのですが、ウィキったら蔑称だとかかれていて・・しらんかったわ・・・。
あいのこ って別に別称じゃないとおもうんだがなぁ・・・・。
っつかこんだけ書いてボツってどうよ(爆