どうもやる気がオリジに偏りがちな今日この頃。
まぁそういう時もよくあるんだけど・・・
ってわけで、ちょっと書いた小説おいときます。
暇な人はどうぞ。
続けるとしたら倉庫でやる。
まぁそういう時もよくあるんだけど・・・
ってわけで、ちょっと書いた小説おいときます。
暇な人はどうぞ。
続けるとしたら倉庫でやる。
「これからどうするかなぁ…」
俺の言葉に、隣を歩いていた男が小さく笑った。
「なんだよ。委員長」
「いや、一年ちょっと前も同じような事を言っていたと思って。」
「あ…あぁそうだな」
そうか。
そういえばそうだ。
一年と少し前…ここに放り出された直後…たしかに同じような事を言っていたっけ。
『ドラゴン退治とかしなきゃいけないのかな?』
『何がドラゴン退治だ。アホなことを言うな』
『だっていきなり異世界に放り出された人間ってのは、そういう宿命背負ってるもんだろう?』
『ライトノベルの読みすぎじゃないか?』
『るへー』
『まぁいい。そういうことにしておいて・・・俺たちはその宿命背負った人間の前例じゃないのか?』
『前例?』
『そうだ。つまりこうだ。“以前にも異世界からやってきた人間はいましたが、魔物に食われて死んでしまいました”ってやつだ。』
『な、なるほど』
その時の委員長のセリフはすっごい説得力だった。
まだ死んでないけど。
あれから…、近くの村のゼムじいさんに保護され、言葉を必死に覚えた。
っで、俺は近くの食堂に働きに出て、委員長は得意の武道を子供たちに教えて生計を立ててきた。
だけど、一週間ほど前にじいさんが死に…ムカツク強欲な遺族に家を追い出されてしまったのだ。
あ、そうそう。
自己紹介がまだだっけ。
俺は、脇役その一の、園木隆一(そのきりゅういち)。
身長は175センチ、体重はずっと計ってないから不明だけど平均よりは下っぽい。
こっちに来てから少し痩せたかもしんない。
向こうにいたときはちゃらんぽらんしてた典型的なアホで、女の子の事しか考えてなかった。
前髪をちょんまげみたいに結んでるのが特徴かな。
んで、相方、委員長。
本名は如月秋雄(きさらぎあきお)
あだ名の通り、向こうではクラスの委員長してた優等生。勉強もできるが、家が古武道の本家とかで小さい頃から武道となれば何でもやってきたらしい。
身長は俺より高い。
前髪が長くてうざったい。伊達の眼鏡をかけているが、顔のつくり自体は非常に整ってて、はっきりいって女に優しい話術に富む俺よりもずっともてる。
向こうにいたときは全くといっていいほど交流がなかったが、さすがに二人だけでこの世界に放り出されてからは仲良くやっている。
前はすかした野郎だと一方的に嫌っていたんだが、実際はそうでもない。
確かに今まで俺が付き合ってきたやつらに比べると堅いが、新鮮で面白い。
でも、
「ほんとにただの脇役とはなぁ…」
不思議な力に目覚める!とか、神聖な生き物が寄ってくる!とか、城から使者がやってくる!とか、やっぱりちょっと憧れてたりしたんですけど…一年以上経っても何の音沙汰もない…。
それどころか…
「精霊の加護もない、魔法の才能ゼロだからな」
そうなんです!
この世界には四つの精霊に守られて作られてる。
つまり地水火風ね。(詳しくいうともっと細かく分かれてるらしいけど、それらも地水火風のどれかに大分させるらしい)
っで、この世界に生きてる人ってのは、いずれかの精霊の加護を受けてるものらしいんだけど…これが俺たちはまるっきりゼロだったらしいんだな…トホホ。
ほんとにみそっかすってわけだ。
「そう落ち込むな。平凡なのは幸せなことだぞ」
「かもしんないけどさぁ。いっきなりわけわかんない内にこんなとこに飛ばされて…ほんとに何も意味が無いって悲しすぎね?」
「だったら魔王退治にでも行ってみるか?」
「無理、無理すぎる」
「じゃあ、神界に行って神殺し?」
「逆に殺される」
「じゃあ、ドラゴン狩?」
「何の能力もねぇのにできねぇよ!」
チクショウ
「じゃあ、諦めろ」
せっかく魔界や神界まであるってのに…。
魔法だってあるし、精霊だっている世界なのに…。
魔族だって、魔獣だって、神族だって、有翼人だっているってのに…。
ぐすんっと泣いても無いが鼻を鳴らすと頭を撫でられた。
どうやら慰めてくれてるらしい。
「まぁ、とりあえず王都まで行ってみよう。もしかしたらお前が望んでいる展開もあるかも知れない。」
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