干からびて、漢方薬みたいになってるんですけど。
何を思って、彼らは真夏の焼けたコンクリートを這ったんでしょうね。
不思議。
あとね、パソコンはクーラー入れると落ちないの。
やっぱ、熱暴走だね。熱暴走。
恐ろしいね。
さて、続きにボツ原稿あげとこうとおもう。
今回はアリス。
しかも、今書いてるもののボツ原稿。
novel/odai2-1 にアップする予定のものですので、読む人はそちらを読んでからのほうがいい(現時点ではまだアップしてない 汗
ちなみに火村視点でやる予定だった。
その日、その道を通ったのは本当に偶然だった。
一度くらい顔を出せとしつこく誘われ、しぶしぶに出向いた飲み会の帰り。時刻は午後の11時を過ぎていただろう。次の店になだれ込むっという彼らからようやく逃れることが出来たのがその時刻だった。
週末、まだまだ明るい繁華街を抜け駅のほうへと向かう。電車に乗るわけではなく、アパートが駅の反対側にあるのだ。
酒は嫌いではないが、酒の席は嫌いだ。
ぎゃんぎゃんと騒いでいたやつらの声が耳に残って煩い。女の香水が自分にまでついてしまったかのようで気持ち悪い。
しかも、一食分浮かせてやるという言葉で妥協してやったにもかかわらず、料理はどれもまずくて箸を殆どつけることができなかった。
もう二度と行くものかと愛飲のタバコに火をつけたとき、俺は向かいから歩いてくるそいつをみつけたのだ。
そいつは13くらいのやせっぽちなガキだった。
白い無地のシャツに、擦り切れてぼろぼろになったジーパンをはいていた。
シャリシャリと地面をするように歩くそいつは、片手にコンビニの白い小さな袋を抱えてもう片方の手でしきりに涙をぬぐっていた。そして、そんなことよりなにより目を引いたのは彼が鼻血を出していたということだった。
鼻から口、顎までを真っ赤に染めてシャリシャリと足を引きずって歩く痩せたガキ。
道行く人は誰もが気の毒そうな目を彼に向けるが、誰一人として彼に関わろうとするものはいなかった。
俺もまたその一人で一度は彼を素通りした・・・が、振り返ったときにみた白い項にどうしても放っておけなくなって俺は踵を返した。
声をかけるとひどくおびえて逃げ出そうとするそいつを、なんとかなだめる。
街灯のしたで見ると、鼻血の他にも顔を殴られたらしく青紫に頬骨のあがりが膨れ上がっているのが分かった。大方、いきがった高校生あたりにやられたのだろう。ハンカチで血をぬぐってやるとおとなしくされるがままになっている。
本当は何か事情を聞くなり慰めの言葉をかけるなりするべきなのだろうが、俺は生憎それほど口が達者なほうではなく彼が黙っているのをいいことに黙々と治療をすすめた。
彼の血に汚れた顔をふいてやり、涙をふいてやる。傷薬やバンドエイドの類は流石に持ってはいないので服装を整えてやりこれでいいかと思ったとき・・・ふと彼の腕が俺の注意を引いた。
それは暴行の後のあざだったのだが、一目見てついさっきついたものとは違うことがわかった。
街灯の下、新しいものは血がにじんだようにない出血しているのがわかったが、腕のそれは一週間程度は前のもの。あざの回りが黄色くにじんだ青あざだった。
奇妙だと思ったものが、だんだんと嫌な予感に染められていく。
さりげなくTシャツの袖を捲り上げるとそこにも・・・。
これは・・・不良に暴行されたのではないのかもしれない。腕にかさかさとした指ざわりがあり、そちらを確かめるとタバコを押し当てたような跡。比較的新しいが、これも今日、昨日ついたものではない。
“虐待”という言葉が頭に浮かぶ。
そういえば、やけに痩せているし顔が青白い・・・まさか、本当に・・・?
じっと見つめていると、彼は居心地悪そうに身動ぎし俺の手から逃れようとする。
俺は彼の手を掴んだままどうしようか悩んだ。
このまま彼を帰すのが自分にとっては一番いいのだろうと思う。大学に一人暮らしで通いながら、バイトに追われている。そんな中で、面倒に関わるのはごめんこうむりたい。
本当に虐待の跡かどうかなんてわかりはしないが・・面倒を避けるのにはそれが一番いい。そう思っているのに気がつけば、
「お前、この傷はどうしたんだ?」
目をまっすぐに見て聞いていた。
「転んだ・・・」
彼は目を曖昧にそらしてぽつりと言った。
「転んでこんな傷がつくのか?」
俺の言葉にぴくりと肩が動く。
「そう・・・や。さっきころんで・・・」
「嘘はつくなよ。」
「ほんまや!」
泣きそうな顔で真っ赤になって叫ぶ。
俺は彼の腕をつかんだまま、もう片方のあいた手でアザをなぞった。
「俺はボクシングをやってたからわかるんだが、これは人に殴られた跡だろう?それに、こっちはタバコを押し付けられた跡だ。違うか?」
「・・・・」
「誰にやられた?」
「
――――――― 以下 ボツのボツ・・・ ―――――――
「おい」
言いながら彼の肩をに手を置くと、彼ははじかれたようにこちらを振り返り、おびえたような目で俺を見た。
血に濡れた唇が小さく震え、その震えはすぐに全身に及んだ。逃げられる・・・っと一瞬思ったが、そうはならない。
彼はおそらく逃げ出したかっただろうが、彼の足は情けないほどに震えていて今にも崩れ落ちそうだった。
おそらく、アホどもにつかまって暴行されてしまったのだろう。
なるべくやさしい顔と声を心がけながらハンカチを出し、顔を拭くようにというと彼は伺うような目で俺を見た。声には出さないが、汚れてしまうと言いたいのだということくらいは分かる。
「大丈夫だ。どうせ安物だ。それにそんな格好で帰ったら親が心配するだろう?」
言いながら彼の手を持ち、握られたハンカチで顔を拭いてやる。
っと・・・気付けば彼のシャツも襟口が赤くそまっている。これじゃぁ顔を綺麗にしただけではだめだろう。
無地の白いシャツ・・・それならばうちにもある。そりゃぁサイズは違うだろうが、血染めでかえるよりはましかもしれない。
それに、家に帰れば
「なぁ、そのシャツ変えてやろうか?」
「かえ・・・る?」
初めて口を開いたそいつの声は、まるで幼稚園児みたいに稚拙に聞こえた。
「そうだ。血がついてるだろう?新しいのにかえてやるよ。サイズは違うかもしれないが・・・俺の部屋にいけばその血もとってやることができるかもしれない」
確か血液はぬるま湯でとるのがいいんだったよな・・・と頭の中で考えながらいうと、彼は考えるようにじっと俺の目を見つめた。
「あぁ・・・でも、そうだよな。こんな時間まで出歩いてたほうがおこられるか?」
「それは・・・だいじょうぶやとおもう」
「そうか?」
「うん。おとうさん、もうねてる」
家の人が寝てる間に抜け出したってことだろうか・・?だったら、別に連れて行くこともないか・・・そう思ったが、一度声をかけてしまった以上は最後まで面倒を見てやろう。
俺は震える彼をなだめてからアパートのほうへと連れて行った。
一人暮らしの狭いアパート。
彼は狭いそこが面白いのか目をきらきらと輝かせて首をめぐらせる。そして、ロフトへと続く階段を見つけると俺に上にいってもいいかと聞いた。
上にはベッドがあるほかはこれといって何も置いてはいない。ロフトに上がること自体はやぶさかではないが、それよりも顔を洗えと俺は彼を洗面所へと連れて行った。
赤っぽい水がしばらく流れ、それが透明になったのを確かめてタオルを渡す。
ついでに洗濯機をまわしてやるからシャツを脱げというと、彼はなぜかひどく戸惑ったように俺を見て嫌だと首を振った。
「いいから脱げ、シャツはすぐ出してやるから」
「いい・・」
「いいって、血がついてるだろう。大丈夫だよ。ちゃんと洗濯して乾かしたら家に届けてやるから」
「そんなん・・・いらんもん」
「わからねぇガキだな。ほら、さっさと脱げって」
「脱ぎたない!」
「・・・まさか、恥ずかしいのか?男同士なのに?」
「はずかしくなんかない!」